2019-02-01

部活動の地域移行

■はじめに

　現在、様々なスポーツ活動が色んな場所や地域で盛んに行われています。学校教育の一環として行われてきた部活動もその一つですが、今日において、社会や経済の変化等により、教育等に関わる課題が複雑化・多様化し、学校や教師だけでは解決することが出来ない課題が増えています。最近では、教師の時間外労働のニュースも取り上げられ問題となっています。また、少子化が進展する中、部活動の在り方も従来の運営体制では維持が難しくなってきており、学校や地域によっては存続の危機にあります。
　そんな中、部活動の在り方が変化し、最近では学校と地域社会の連携によりスポーツ指導・運営を連携する形がとられてきています。また、部活動も運動部では教員が専門ではない部活の顧問となったり、経験がなかったりすることもあり、より専門的な外部チーム（野球ならボーイズやサッカーならクラブチーム）への所属を希望するようにもなり、生徒自身が選べる環境にもなってきました。そんな活動の変化により、今後ますます地域移行への環境整備が必要となってきています。

■地域との連携等

　そもそも部活動は、学校教育の一環として行われてきたものですが、今後は、地域と連携したあり方へとシフトしていく事が必要となります。そのために先ずは、教師の負担を軽減していく一方で、民間業者を積極的に活用していくことで、様々なニーズへの対応が可能となってきます。これからは、より学校と地域とが共に子供たちを育てるという視点に立ち、地域のスポーツ団体との連携や保護者の理解と協力を得ながら、地域におけるスポーツ環境整備を進め、子供たちがスポーツに親しめる、体も心も健全に生涯スポーツに携われるよう今後は進めていく必要があります。

■地域移行のメリット・課題

　地域移行に関してのメリットは、様々な地域で活躍している各専門家の指導者や競技団体、民間スポーツ業者やスポーツ少年団、総合型地域スポーツクラブ等と協力できる為、学校のみならずスポーツ活動の場が増えることにより活動も活性化し、子供たちの様々なニーズにも対応することが出来ます。また、指導の質に関しても各競技の専門家の指導により、知識・技術等質の高い指導が可能となり、部活動顧問の先生方の負担も軽減され、学校と地域社会での連携による取り組みが可能となります。
　現状の課題は、知識・技術・人間性を持ち合わせた指導者の確保と養成が急務となります。最近では、プロアスリートの世界でも、パワハラや体罰が問題視されフォーカスされています。スポーツ現場に関わる指導者においては、指導力向上に向けて、常に最新の研究成果等を踏まえた科学的な根拠の指導内容、方法を積極的に取り入れ、事故防止、安全確保、生徒の発達段階の評価を行い、スポーツ障害を防ぎながら、取り組む事が指導者には求められる為、指導者の質が重要となってきます。指導者は、運動部活動が総合的な人間形成の場となるよう、技術的な指導・ルール、起こりうる心理的変化や肉体的変化を把握し、部のマネージメント、コミュニケーション等に関する幅広い知識や技能を継続的に習得していく事が望まれます。

■終わりに

　今後、ジュニア期におけるスポーツ環境の整備は、学校単位での運動部活動から一定規模の地域単位での活動にも移行し、長期的に地域全体で部活動に代わりうる子供たちのスポーツ活動の機会の確保・充実を図っていく必要があります。少しでも子供たちのサポートが出来るような活動の場所の提供を目指し、微力ながら活動していきたいと思います。

○参考
・運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン（スポーツ庁）他

FLASH JAPAN FITNESS株式会社
代表 塚田 哲弘