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2013-01-05
敷島公園と本多静六(1)
「これはなんだかおもしろそう!」
埼玉県久喜市役所にお願いして取り寄せた資料を前にして、私は思わず呟いていました。
資料は「前橋市敷島公園計画案」。
日本庭園協会調査部
担当者 林学博士 本多静六、井下 清、柳生 績と書いた表紙があり、
次ページは「前橋市敷島公園改良設計平面図」。
昭和四年(1929)三月設計となっています。
今から84年前の資料です。
内容は、10ページに亘って創設(1922)当時の敷島公園を「改良」しようという試みが書かれています。
一、総説
二、設計要旨
三、主要施設
四、植物装景
五、管理設備
六、休養設備
七、通信、照明設備
八、注意事項
現在の敷島公園は総面積36.6ha(県17.8 ha、市18.8 ha)ですが、この計画予算書では面積66千坪(21.8 ha)となっています。
この「敷島公園改良設計平面図」をよく見ると、ほぼ中央におそらく野球場と思われる敷地があり、現在のばら園、松林、正田醤油スタジアム群馬(陸上競技場)正面の松林などで周囲を囲んでいます。
どうやら、現在の敷島公園の北半分が改良設計の対象地域で、正田醤油スタジアム群馬、補助陸上競技場及びサッカーラグビー場辺りはこの計画に含まれていないと考えられます。
計画予算は当時のお金で約196千円とあります。(現在の消費者物価指数換算:約353百万円)
今回は、この計画案の最初の「総説」部分をご紹介します。
他の公園とは一味違い、水道水源地としての位置付けもあり、「社会教育的意義を持たせなければ」と力説しています。
「敷島公園は利根川に沿う松林を公園化し、これを市民のための休養運動の郊外公園たらしめんとするものにして、利根川の風光に接し遠くは赤城、榛名の秀峰を左右に望む景勝地たるの特色を有す。
地形上利根川の一支流により南北の二部にわかたれ、その南部は利根川堤防の細長き帯状の松林とそれに続く菱形の平地にして、これを散策、運動、遊戯等利用本位の地となし、これに洋風装景と近代的公園施設をなし、事務所、喫茶店、庭球場等を設く。またこの北部は一帯の自然的松林及び芝生地をなし、その西側には河原の一部を加え野趣に富みたる灌木林を有す。
なお以上両部のほか、公園に付帯する水道貯水池東側三角形の高地は貯水池構内を眼下に眺め、かつ公園一帯の栄松を一望におさむるをもって、公園的設備を施して野外大集会場となす。
かくの如く、公園地によりて水道用地を抱擁し、市民生活に重大なる関係ある水道水源地と公園とを相関連して、前橋市民の休養散策地となし得るは、社会教育的意義をもあわせ有するものといはざるべからず。」
次回は、この計画案を作成した本多静六博士のことについて触れてみます。
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